極微量物質研究会

 

 委員長挨拶

ご挨拶

極微量物質研究会委員長
高橋 厚

平素は、日環協ならびにUTA研の活動にご尽力いただき、誠にありがとうございます。2003年7月4日、日環協に所属する独立採算の委員会として発足したUTA研は、そのほとんどがダイオキシン類分析の特定計量証明事業者(MLAP機関)である82機関の参加を得て、22年が経過しました。この度、5代目委員長を拝命し、身の引き締まる思いです。UTA研が多くの機関の参加を得て、関係省庁や研究機関にその存在意義を認知されているのは、ひとえに日環協をはじめ会員の皆様のご支援ご尽力の賜物であり、改めて感謝申し上げます。組織は、会員の約2割からなる委員による3つのWGの集合体として運営されています。

発足以来毎年行っているダイオキシン類分析のクロスチェックでは、近年はロバスト変動係数が10%を下回るなど、会員機関の分析精度は全体として極めて高い状態が維持されています。これらの結果は、環境化学討論会やダイオキシン国際学会において発表し、積極的に対外的なアピールを行っています。また、ダイオキシン類やPCB、PFASに関する基準値一覧や公定法、ガイドライン等をホームページに掲載するとともに、技術的情報や資料を収集した結果を毎月会員専用のホームページに掲載し、情報や知識のポータルサイトとしての役割を果たしています。さらに、年2回定期的に開催しているセミナーや講演会において、研究機関や関係省庁から講師の方をお招きした講演や会員機関による発表を行って技術の向上と知識の共有を図り、UTA研全体のレベルアップを目指しています。その中では、現場の技術者を対象としたフリートークに時間を割き、意見交換や課題解決を通して技術者のレベルアップも図っています。加えて、技術的に難しく、変動の大きかった水底土砂の溶出試験やPFAS分析、絶縁油や低濃度PCB含有廃棄物のPCB分析、さらにはGC-HRMS以外のダイオキシン類分析に関する共同研究を行い、そこで得られた知見や成果を会員間で共有し、分析精度の向上に貢献しています。現在は、日本で唯一の絶縁油中PCB分析および水質中のPFAS分析に関する広範なクロスチェックを実施しており、外部精度管理としての機能を果たしています。

ダイオキシン類対策特別措置法が制定されてから20年以上が経過し、様々な規制や削減技術によりダイオキシン類の排出量は大幅に減少しました。また、最盛期には150機関程度あったMLAP認定機関も現在では68機関に減少しており、UTA研会員数もMLAP認定機関等である正会員Aでは54機関に減少するなど経営環境はますます厳しさを増しております。しかしながら、社会的、経済的環境の変化にかかわらず分析精度を高度に維持し続けていくことは、我々分析機関の社会的責務です。さらに、従来とは次元の異なる難しさのあったダイオキシン類の分析に対し、分析技術の改善、分析作業の効率化、ノウハウの蓄積に関して多大な貢献を果たした当初の分析技術者が現場を離れ、世代交代が進んで若い分析技術者が増えている状況にあります。こうしたことを受け、ダイオキシン類分析に関する基礎セミナーを定期的に実施するとともに、中上級者にも参加いただける人数を限定した実務者セミナーなど、従来にも増して教育や技術力の維持、向上に取り組んで行きたいと思います。加えて、MLAP機関以外の極微量物質の測定分析に関連した機関にも広く門戸を開放するため2010年に運営規程を改正し、以後必要に応じて随時改正を行っております。これにより、MLAP機関等ではないが極微量物質の測定分析技術を有している正会員Bは16機関となるなど、会員の拡充を図ると共に、UTA研の存在価値を高め、例えば、関係省庁に対しても規格や公定法の改正に際して事業者としての意見を反映すべく、積極的に提言を行って行きたいと思います。

昨今のPFAS問題や、ダイオキシン類分析においてはGC-HRMS製造事業者の相次ぐ生産停止など、激動の時期を迎えており、UTA研は、その存在意義と活動成果が社会的にますます重要になってくると認識しております。関係省庁や研究機関ならびに会員各位におかれましては、ぜひともUTA研の趣旨をご理解いただき、今後とも活動に益々のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

<研究会活動内容>
クロスチェックワーキンググループ
標準試料の作製およびクロスチェックの実施を行い,結果の解析および評価を通して,分析技術の維持,向上に資することを主な目的とした活動.
技術情報ワーキンググループ
ダイオキシン類を始めとするPOPs等の極微量物質に関する知識の充実,拡大に資するため,国内外の技術情報の収集および調査を行い,その結果を会員に還元することを主な目的とした活動.
研究開発ワーキンググループ
既存の,また新たな極微量物質に関する分析手法の研究や開発に関する検討を行い,会員の事業拡大や分析精度の向上と共に分析作業の効率化に資することを主な目的とした活動.

●分析のお問い合わせ
●技術的なお問い合わせ
 お電話の前に ↓

分析委託
●適格請求書発行事業者登録番号
 T5011705001153
 
会員の方はこちら   HPご意見   入会のご案内   UTA研   ヘリウムガス   分析機関のご紹介   環境・経営セミナー開催予定   写真&論文募集   バナー広告募集

環境測定・分析関係メーカ会員ポータル

環境分析関係メーカー会員ポータル

日環協行事

委員会カレンダー